小児歯科
小児歯科は、乳歯が生え始める頃（0歳前後）から、永久歯が生えそろう小学校高学年頃までのお子さんを対象にした診療です。
治療だけでなく、次のような“お口の成長”を支えることも大切な役割です。
- むし歯の予防と治療
- 正しい歯みがきの練習
- フッ素塗布やシーラントによるむし歯予防
- 歯並びやかみ合わせのチェック
- お口の成長（噛む・飲み込む・話す）のサポート
子どものお口は日々成長しているので、「そのタイミングに合ったケア」がとても大切です。
おやつの食べ方で虫歯になりやすさが変わる
私たちの歯は、食べたり飲んだりするたびに「酸」にさらされて、表面のカルシウムやリンが少しずつ溶け出しています。
でも実は、唾液の中には歯を修復する力があり、時間をかけて失われた成分を戻してくれます。
これを「再石灰化（さいせっかいか）」といいます。
ただし、だらだらと長い時間おやつを食べ続けていると、口の中がずっと酸性のままになり、再石灰化が追いつかなくなります。
この状態が続くと、むし歯の始まりです。
むし歯を防ぐには、「おやつの内容」よりも「おやつのとり方」がとても大切です。
時間を決めて食べる、食べたあとはお茶や水でお口をすすぐようにすると、唾液の力がしっかり働いて歯を守ってくれます。
フッ素やシーラントで虫歯を防ぐ
お子さんの歯は、大人の歯に比べてまだ柔らかく、むし歯になりやすい時期です。
特に生えたばかりの永久歯は、表面が未成熟で酸に弱いため、早い時期からの予防ケアが大切です。
むし歯予防に効果的なのが、フッ素塗布とシーラントです。
フッ素には、歯の表面を強くして酸に負けにくくするはたらきがあります。
また、初期のむし歯を修復する「再石灰化」を助ける作用もあり、定期的に塗布することでむし歯の進行を防ぐことができます。
一方、シーラントは、奥歯の細かい溝をプラスチックの樹脂でコーティングして、汚れや菌が入り込むのを防ぐ処置です。
痛みもなく短時間でできるため、小さなお子さんでも安心して受けられます。
フッ素塗布とシーラントを組み合わせることで、むし歯のリスクを大きく減らすことができます。
「むし歯ができたら治す」ではなく、「むし歯をつくらない」ためのケアを、定期的に続けていきましょう。